レオン

レオンはリュック・ベッソン監督ジャン・レノ主演の名作中の名作だ。
(1994年作品)

レオンを見たのはスキー場の屋外シアターだった。

車のエンジンをかけっぱなしで、カーステレオで映画の音声を受信して、フロントガラス越しに映画を見た。

途中、モノマネをするところは間延びした感じだったが、少女との交わりの中で生まれたささやかな楽しみを表現するには大切なシーンなのだろう。

マチルダを助けるために警察に乗り込んで行く辺りからまたヒートアップし、

アパートの扉一枚挟んだ先に大勢のスワット部隊が配置された時は、こんな無防備な場所で何が起こるのだろうと緊張感が加速し、

レオンとマチルダがいる遮るものといえば薄っぺらいドア一枚しか無いおんぼろアパートの小さな一室にミサイルが打ち込まれ爆発した時は、見ている私の心も爆死した。

その後、ゲイリー・オールドマン演じる刑事が今のは何だとたじろぐ姿が人間臭く滑稽で楽しい。

あの爆発の中レオンは生きていた。

スワット部隊に化けて、救助された。

凄いレオン。頭いい。

このまま何とか逃げてくれ、あの光の先に自由がある。

初めて見つけたこれから始まるであろう楽しい人生をマチルダと一緒に生きてほしい。

私の願いも虚しく、ゲイリー・オールドマン演じる刑事に見透かされてしまい、あと数歩で辿りつけるであろう自由の光の手前で、後ろから撃たれてしまう。

倒れたあとにマチルダからのプレゼントと言って手榴弾のピンを刑事に手渡す。

刑事がちくしょうと言ったあとに、爆発と共に大きな火柱がアパートから真横にものすごい勢いで伸びた。

レオンは死んでしまった。あー虚しい。

マチルダはアパートの部屋の中で文句ひとつも言わずずっと鉢植えの中で生きてきたレオンの友達である植物を
施設の芝生の隅に植え替える。

レオンは太陽の下でやっと自由になれたのだ。

その後に流れるスティングのエンディング。

もう、茫然自失だ。

チープで完全無防備なアパートの一室に立てこもるレオンと必要以上の大人数で押し寄せるスワット部隊。
そんな遮るものがドア一枚しか無いところに打ち込まれるミサイル。
チープなアパートから道路へと上がる大きな火柱。
人間臭いオンボロアパートでの出来事なのにニューヨーク。

この映画は相対的なギャップを取り入れ人間の錯覚をうまく利用している。

私たちの一般常識による勝手な憶測を見事に超えた事象を映像に表現することにより見ているものに大きな驚きを与える。

宇宙船が来て核爆弾を落とすような映画では到底得ることは出来ない。

この映画はレオンとマチルダの成長の記録である。

いい映画を見た。

車をUターンさせて帰路についた。